仕事が遅い・伝わらない人の共通点|“認知コストの高い話し方”が生むムダと修正法

情報の順番が乱れて認知コストが高くなる様子と、整理された伝達が対比された抽象ビジネスイラスト 仕事とキャリア

「説明が長くなる」「話が伝わらない」「毎回確認が多いと言われる」

これらは能力ではなく、認知コストの高さが原因です。

認知コストが高い=相手が理解するのに余計な負荷がかかる状態。

上司はあなたの話を途中で補完しながら理解する羽目になり、その結果「遅い」「伝わらない」という評価につながります。

この記事では、認知コストの高い人がやりがちなパターンと、明日から仕事が早くなる“伝え方の直し方”を構造化して解説します。


認知コストが高い人の共通点

① 伝える順番が毎回ちがう

毎回「結論 → 理由 → 状況」と順番が違うと、相手は理解のために都度“並べ替え”が必要になります。これが認知コストの正体です。

  • 結論が最後まで出てこない
  • 背景 → 結論 → 状況 → 再び背景、のように揺れる
  • 話すたびにストーリーの整理が必要

上司は常に「結論は何?」「今どの話?」と補完を続けることになり、結果として仕事が遅く見える状態が生まれます。

レシピ本が、料理によって
「材料 → 手順 → 盛り付け」だったり
「手順 → 材料 → コツ」だったりしたら混乱しますよね。
話すたびに順番が違う人は、これと同じ混乱を相手に与えています。

② 前提・制約条件が抜けている

認知コストが高い人は、相手が持っている情報を過大評価しがちです。

自分の中の前提を共有せずに話すため、相手は理解のために補完作業が必要になります。

  • 「◯◯だと思ってました」が多い
  • 前提を聞かれると説明できない
  • 相手が知らない情報を“当然知っている前提”で話す

前提がズレたまま進むと、判断や成果物の確認が毎回やり直しになり、仕事全体が遅くなります。

行き先を聞いたのに “現在地” を言ってくれない友達と
待ち合わせしようとしているようなものです。
「え、どこから来るの? どれくらいで着くの?」と毎回確認が発生してしまう。

③ 判断材料が不足している

「どうしたらいいですか?」と聞くのに、判断に必要な材料を持ってこないタイプです。

これも認知コストを大きくする要因です。

  • 選択肢が出てこない
  • メリット・デメリットの整理がない
  • 現状・課題・影響範囲が曖昧

上司は毎回「状況の採掘」から始める必要があり、不要なコミュニケーションコストが積み上がります。

体調が悪くて病院に行ったのに、
医者に「なんとなく調子が悪いです」しか言わないと正しい診断は不可能です。
仕事も同じで、材料(状況)がないと上司は判断できません。

④ 要件がまとまっていないまま連絡する

認知コストが高い人は、まとめる前に連絡してしまう傾向があります。

上司は話を整理し、要件を抽出し、目的を聞き出すところから始めないといけません。

  • 「なんとなく相談したい」だけの状態で話しかける
  • 質問なのか報告なのか頼みごとなのか不明瞭
  • 言いながら考えている

これは上司から見ると「巻き取りコストが高い人」に分類されます。


明日から変わる“認知コストの下げ方”

① まず結論を言う(途中を後回しにする)

結論 → 理由 → 詳細 の順番に固定するだけで認知コストは激減します。

上司は「まず判断すべき内容」を受け取り、その後必要な分だけ深掘りできます。

  • 結論:何を判断してほしいのか
  • 理由:なぜその判断が必要か
  • 詳細:背景・経緯など(必要なら)

この「順番の固定」だけで仕事速度は体感で2倍になります。

② 前提・制約条件を最初に明示する

認知コストを下げるには、前提を先に出すのが最速です。

上司は「何を前提に判断すべきか」が分かれば、話の解像度が一気に上がります。

  • ◯◯という条件のもとで
  • △△が間に合わない可能性が高く
  • 関係者A・Bの合意が必要で

前提が揃えば、判断が高速化します。

③ 選択肢と判断軸をセットで持っていく

判断を上司に丸投げするのではなく、判断に必要な材料をそろえて持っていくのが“責任の果たし方”です。

  • 選択肢A/B/C
  • メリット・デメリット
  • 影響範囲

「結論は上司が出す。でも材料は自分がそろえる」が最適解です。

④ 要件を一行にまとめてから連絡する

話しかける前に5秒でいいので、目的を一行にまとめる習慣を持ちます

  • 今日は何を相談したいのか
  • 結論を出して欲しいのか、方向性を聞きたいのか
  • 相手が判断するために必要な情報はそろっているか

これだけで「話が早い人」扱いになります。


まとめ:認知コストを下げれば“仕事が早い人”に変わる

認知コストが高いと、伝わらず、誤解され、巻き取りが発生し、結果として「仕事が遅い人」に見られます。

逆に言えば、認知コストを下げるだけで、あなたは今日から“早くてわかりやすい人”に変わります。

結論から伝える・前提をそろえる・判断材料を持っていく。

この3つを習慣化すれば、上司の認知負荷は大きく下がり、仕事のスピードと評価は自然に上がります。

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