入眠まで2〜4時間かかった私が、睡眠薬3種類を試して分かったこと

入眠に2〜4時間かかっていた人が睡眠薬3種類を試した体験記事のアイキャッチ画像 認知・ものの見え方

長いあいだ、寝つきの悪さは「体質」だと思っていました。

布団に入っても眠気がこず、気づけば2〜4時間が過ぎている。そんな夜が当たり前でした。

ただ、睡眠不足の日はいつも不安が強くなり、衝動的になり、やるべきことが回らなくなることが続きました。

診断を受けてから分かったのは、私の場合「睡眠」が特性の揺れをそのまま左右していたということです。


この記事では、これまでに試したマイスリー・ルネスタ・デエビゴの3種類の睡眠薬について、私の体験をもとにまとめています。

医学的な正解ではなく、どう選ぶと生活が安定したのかという実感ベースの記録です。
そもそも「なぜ睡眠がここまで特性に直結していたのか」は、診断記事で書いています。

私の入眠困難は“特性”だった

物心ついた頃から入眠に2〜4時間

物心ついた頃から、寝つきはずっと悪かったです。布団に入ってから眠気が来るまで、2〜4時間かかることが普通でした。

当時はそれを「体質」や「夜型の性格」くらいにしか捉えていませんでした。

眠れないこと自体はつらいものの、「こういうものなのだろう」と思い込んでいたところがあります。


大学で一人暮らしを始めると、この入眠困難が生活に直接ダメージを与え始めました。

0時に布団に入って、目を閉じる。それでもまったく眠気が来ず、次に時計を見ると4時を過ぎている。

そんな夜が何度も続きました。

翌朝は起きられず、授業や予定に影響が出ます。「またやってしまった」と思うたび、胸の奥がじわっと重くなりました。

今振り返ると、この「入眠2〜4時間」は、ASDやADHDの特性と強く結びついた問題だったのだと思います。

入眠に時間がかかる静かな夜を抽象的に表現したイラスト

睡眠不足が不安・衝動・実行機能を悪化させた

睡眠不足の日は、世界が少しザラついて感じられました。いつもなら気にならない生活音が耳に引っかかり、イライラが増えます。

不安も強くなります。「自分はダメだ」といった自己否定的な思考が出やすくなり、思考のブレーキが効きにくくなりました。

私の場合、不安と衝動性はセットで動きやすく、不安が高い日は感情の爆発も起こりやすかったです。

実行機能も落ちます。やるべきことの整理ができず、何から手をつければいいのか分からなくなる。

タスクの優先順位がつけにくくなり、先延ばしも増えました。

こうした連鎖を踏まえると、私にとって睡眠は「特性を安定させる土台」そのものでした。

診断を受けてからは、「睡眠をどう守るか」が治療の中心になっていきます。
睡眠不足が始点となり、不安が暴走し始める日の対処は頓服の記事で紹介しています。

睡眠薬を比較してわかったこと

判断基準1:自然な眠気か、強制的な眠気か

マイスリー・ルネスタ・デエビゴという3種類の睡眠薬を試してみて、最初に違いを感じたのは「眠りへの入り方」でした。

自然に眠気が立ち上がるのか、それとも「眠らされている」感覚が強いのか。この差は想像以上に大きかったです。

私の場合、「自分の力で寝つけた」と感じられるかどうかが、翌日の満足感や安心感に直結していました。

強制的にシャットダウンされるような眠気だと、入眠はできても不安が残りやすかったです。

判断基準2:副作用(記憶・行動・気持ち悪さ)

次に大きかったのは、副作用の出方です。

たとえばマイスリーでは、夢遊病のような行動が出ました。自分では覚えていないのに、あとで「こういうことをしていたらしい」と気づくタイプの副作用です。

ルネスタでは、翌朝の気持ち悪さが目立ちました。入眠そのものよりも、起きてからの「調子の悪さ」の方が気になる感覚です。

こうした副作用は、短期的な入眠効果とは別に見ておく必要があると感じました。

判断基準3:子育てとの相性(夜間対応が必要か)

子育てが始まってからは、「夜間対応が必要な前提で使えるかどうか」も重要な判断基準になりました。

授乳や夜泣きなどで起きなければならない場面がある中で、意識が飛ぶタイプの眠気は使いにくいです。

途中で起きたときに、ある程度は頭が働くかどうか。子どもの泣き声に気づけるかどうか。

このあたりは実際に使ってみないと分からない部分でしたが、私にとっては「安全に使えるかどうか」を判断するうえでかなり大きなポイントでした。

マイスリーが合わなかった理由

3種類の睡眠薬の違いと選び方をイメージした抽象イラスト

夢遊病的な行動が出て危険だった

マイスリーを処方されたのは、まだ大学生の頃でした。

当時は「寝つきをよくする薬」として飲んでいましたが、後から振り返ると夢遊病的な行動が出ていたと思います。

翌朝になるまで自分では気づかない行動がいくつかありました。その時点では副作用だと理解しておらず、「変な夜だったな」くらいにしか思っていませんでした。

副作用の強さと“自分では気づけない怖さ”

マイスリーの一番の怖さは、「本人が自覚しにくい副作用があること」だと感じています。

記憶に残らない行動が増えると、自分で自分を管理しにくくなります。

一人暮らしだったこともあり、もしもっと大きなトラブルにつながっていたらと思うと、後から冷や汗が出るような感覚がありました。

主治医もマイスリーについてはかなり否定的で、「これは使わない方針」とはっきりしていました。

入眠効果そのものよりも、「安全に使えるかどうか」「自分で自分を把握できるかどうか」が、私にとっては合わなかった理由だったと思います。

ルネスタがしっくり来なかった理由

気持ち悪さの副作用

ルネスタは、熟睡を目的に処方されました。マイスリーとは違い、いわゆる「Z薬」の中でも少し性質が違うタイプだと説明を受けました。

実際に飲んでみると、入眠の助けにはなるものの、翌朝の気持ち悪さが目立ちました。

胃のむかつきや、体の重さのようなものが残り、「とりあえず眠れたけれど、調子は良くない」という日が続きました。

眠りの質が合わないと感じた

私にとっては、「眠れたかどうか」だけでなく「眠りの質がどうだったか」も大事でした。

ルネスタを飲んだ日は、たしかに入眠は早くなるのですが、起きたときのスッキリ感が少なく、眠りの内容が浅かったような印象があります。

短期間試したうえで、「これを続けるよりは、別の選択肢を探した方がよさそうだ」と感じ、ルネスタは早めにやめました。

その後、デエビゴへと切り替わっていきます。

デエビゴで劇的に改善した話

自然な眠気がじわじわ来る

デエビゴは、これまでの睡眠薬とはまったく違うタイプの薬でした。

飲んでしばらくすると、無理やり落とされるのではなく、自然な眠気がじわじわと立ち上がってくる感覚がありました。

「眠らされている」というより、「自分の眠る力を手伝ってもらっている」ような印象です。この点が私にはかなり合っていました。
ただ、睡眠だけでは支えきれなかった産後の時期もありました。

30〜60分で入眠できるようになった

一番大きかった変化は、入眠までの時間が明確に短くなったことです。

デフォルトで2〜4時間かかっていた入眠が、おおむね30〜60分程度に収まるようになりました。

「今日はちゃんと眠れそうだ」という見通しが立つだけでも、不安がかなり減りました。

寝つきへの不安が減ると、それだけで夜の負荷が軽くなります。

デエビゴで入眠時間が短くなり睡眠が安定してきたイメージの抽象アート

日中の実行機能が安定してきた

入眠までの時間が安定してくると、翌日の日中の実行機能も落ち着いてきました。

やるべきことを整理し、優先順位をつけ、淡々と進める力が戻ってきた感覚があります。

睡眠が整うと、不安や衝動性も一段階落ち着きます。

私の場合、ADHDそのものの治療というより、「睡眠と不安を安定させることで結果的にADHDも落ち着く」という順番でした。

子育て中でも使いやすい理由

デエビゴは、子育てとの相性も良かったです。

夜間の授乳や子どもの泣き声に気づける程度には意識が保たれ、起き上がることもできました。

もちろん完全にスッキリ起きられるわけではありませんが、「まったく起きられない」「記憶が抜ける」といったことはなく、運用上の安心感がありました。

睡眠薬を使いながら子育てをするうえで、これはかなり大きなポイントでした。

睡眠薬は“運用の一部”

貫通する日(ゲームでハイなど)の話

デエビゴはかなり合っていましたが、それでも「貫通する日」はあります。

たとえば対戦ゲームでテンションが上がりすぎている日などは、デエビゴを飲んでもなかなか眠れません。

こういう日は、「薬を飲んだから眠れるはず」と過信しないようにしています。

そもそも興奮状態をつくっているのは自分なので、夜の過ごし方そのものも調整が必要だと感じています。

睡眠不足=特性悪化を防ぐための基盤として

私にとって睡眠薬は、「すべてを解決してくれるもの」ではなく、「特性の悪化を防ぐための基盤を支える道具」です。

寝不足が続くと、不安や衝動性が一気に悪化します。その連鎖を断ち切るための一手段として、睡眠薬があります。

薬だけに頼るのではなく、翌日は必ず睡眠時間を多めに取る疲れている日は予定を詰めすぎないなど、生活側の調整も合わせて行っています。

薬と生活調整の両方を使って、「これ以上悪化させないライン」を守るイメージです。

まとめ:睡眠薬は“選び方”がすべて

自分の眠り方のクセを知ること

3種類の睡眠薬を試して感じたのは、「自分の眠り方のクセを知ること」が薬選びの前提になる、ということでした。

入眠に時間がかかるタイプなのか、中途覚醒が多いのか、朝起きられないタイプなのか。

それによって、合う薬も変わってくると思います。

私の場合は「入眠まで2〜4時間かかる」「寝不足で特性が悪化する」というクセがはっきりしていたので、「自然な眠気を早めてくれるタイプ」が相性が良かったです。

副作用との相性を軽視しないこと

もうひとつ大事だと感じたのは、「副作用との相性を軽視しないこと」です。

入眠効果だけを見るとマイスリールネスタも役割は果たしますが、私にとっては夢遊的な行動翌朝の残り方(眠気やだるさ)の方が問題でした。

睡眠薬は、単に「眠れるかどうか」だけでなく、「翌日の自分がどうなっているか」まで含めて選ぶ必要があります。

特に、子育て中や、一人暮らしで誰も見ていない状況では、安全性や自覚しやすさはとても重要だと感じました。

これはあくまで一人の当事者の経験ですが、同じように入眠に悩んでいる方が、自分に合う睡眠薬や運用方法を考えるときのヒントになればうれしいです。

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