「仕事が遅い」「気づけば後回しになっている」「優先順位が分からない」
この悩みは、能力不足でも意識低下でもありません。
ほとんどの場合、原因はただひとつ。
“優先順位を自分で決めにいっていること”です。
若手がどれだけ頑張っても仕事が前に進まない理由は、
正しい優先順位は上司しか知らないから。
この記事では、
・なぜ若手の優先順位はズレるのか
・どうやって上司に委譲すれば仕事が一気に進むのか
・明日から変わる優先順位の握り方
を“構造”から解説します。
この記事でわかること
- なぜ優先順位は「自分で決めるほどズレる」のか
- 上司が握っている“本当の優先順位”の構造
- 仕事が止まる若手の共通点
- 上司に委譲しても「依存にならない」相談の仕方
- 明日から使える“優先順位の握り方テンプレ”
優先順位がズレる本当の理由
1. 若手は「全体の地図」を持っていない
若手は、部署全体・顧客の事情・裏側の調整を知りません。
知らない状態で優先順位を決めると、必ずズレます。
- “今日中”=定時?終日?翌朝レビュー?
- 社内調整は誰がボトルネックなのか?
- 他部署の締切とぶつかっているのか?
こうした情報は全部上司側にだけあるため、
自分判断で優先順位を決めると高確率で逆走します。
イベント会場で“次に登場する出演者”を知っているのは裏方だけ。
案内係(=若手)は流れの全体像を把握していない。
だから裏方に確認するのが正しい。
仕事の優先順位も同じ仕組み。
2. 若手は「やりやすいこと」から着手する癖がある
心理的に軽いタスクを先にやるのは自然です。
しかし、業務は“リードタイム(待ち時間)”で進むため、
- 外部依頼が必要
- 申請に2〜3日かかる
- 確認が必要
こういったタスクを後回しにすると、
巻き返し不能な構造になってしまいます。
冷蔵庫に食材がたくさんある時、
期限の近いものから使うのが正解なのに、
“切りやすい豆腐”だけ毎日使ってしまう人がいます。
これが仕事で言う「やりやすさ基準」のズレ。
3. 自分の判断で進めた結果「上司から毎回“終わった?”と聞かれる」
これは能力不足ではありません。
“いつ・どの粒度で・どこまで仕上げるのか”の握りがないため、
上司が確認せざるを得ないのです。
握りが弱い → 上司にとっての“見えないタスク”になる → 確認頻度が上がる。
仕事が進まない若手の共通点
- 期限の定義を握っていない
(今日中=何時?レビューは?) - 方向性の確認を締切の前日まで入れない
→ 間違っていても巻き返せない - 着手した順序が“やりやすい順”
→ リードタイムを潰して詰む - 成果物を見せるタイミングが遅い
- 質問が“丸投げ”になる
→ できる部分とできない部分の切り分けがない - 前提・背景の理解が浅い
→ 上司の設計意図とズレる
これらはすべて、
優先順位を「自分で決めにいく」結果として起きています。
上司に委譲すると仕事が劇的に進む理由
1. 正しい優先順位は“上司が握っている”から
若手は部分最適、上司は全体最適で判断しています。
だから、優先順位は上司に決めてもらうのが最速です。
2. 委譲は依存ではなく“期待値の握り”である
委譲とは、
- 全タスクの棚卸し
- 粒度を揃える
- 優先順位の整理を上司に委ねる
依存ではありません。
むしろ委譲できない若手の方が仕事が止まります。
タクシーに乗るとき、
「目的地だけ伝える→ルートは運転手が決める」
という委譲は普通ですよね。
仕事も同じで、“最適ルート”は経験者(上司)が持っている。
3. 上司が最も嫌がるのは“勝手な判断”である
勝手に判断されると、上司側で巻き取りが発生します。
逆に、委譲する若手は巻き取りが少なく、
「任せやすい人」枠に入ります。
明日から使える優先順位の握り方
1. 全タスクを一度「棚卸し」して提出する
粒度はバラバラでOK。とにかく全部出す。
- タスク名
- 期限(自分が把握している範囲)
- 進捗
- 誰が関係者か
2. 上司に“順番を決めてもらう”
自分で決めない。 決めるのは上司でいい。
言い方はこれで十分:
「タスクの優先順位を決めたいので、一度順番を決めてもらえませんか?」
3. 方向性の確認を締切の●日前に必ず入れる
締切前日までに方向性が固まっていれば、
巻き返し不能になることはありません。
確認のタイミングはこれが基準:
- 1日案件 → 当日の午前中
- 3日案件 → 中日の午前
- 1週間案件 → 3日目までに必ず確認
4. できる部分までやってから質問する
丸投げ質問は、上司の思考コストが最も重い。
質問の型:
「ここまではできました。残りのこの部分だけ確認したいです。」
5. 終わったら自分から先に言う
上司に「終わった?」と聞かれるのは、 終わりの握りがないから。
定型文:
「◯◯のタスク、ここまで完了しました。次の動きは□□で進めます。」
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まとめ
優先順位がズレるのは、能力の問題ではありません。
「知らない情報で判断している」からズレるだけ。
だからこそ、
- タスクを全部棚卸しする
- 上司に順番を決めてもらう
- 締切の数日前に必ず確認を入れる
この3つだけで、仕事は驚くほど前に進みます。
優先順位は“上司に委譲”するもの。 それができる若手は、例外なく強いです。




