産後に特性が悪化した私が、精神安定薬をリレーした話

産後の分割睡眠と疲労を抽象的に示したイラスト 認知・ものの見え方

産後4〜5ヶ月ごろ。育児にも少し慣れ、趣味の時間を取り戻したタイミングで、私の特性は一気に濃くなりました。

中度ADHD・軽度ASDという特性は元々ありましたが、睡眠不足と育児負荷が重なると、衝動性・不安・攻撃性が一気に跳ね上がりました。

この記事では、産後に特性が悪化した私が、精神安定薬をリレーしていった経緯をまとめています。薬そのものの評価ではなく、「なぜその薬を選んだのか」「どう判断したのか」を中心に書いています。
私の特性の土台や診断の背景はこちらにまとめています。

産後に特性が一気に悪化した

分割睡眠で衝動性が増加

産後は細切れ睡眠が続き、睡眠の質が著しく落ちました。夜中に何度も起きる生活は、思っていた以上に脳の体力を削ります。

睡眠不足が続くと、普段なら流せる出来事に強く反応してしまうようになりました。世界のノイズが増え、イライラしやすくなる。これは明らかに衝動性の増加でした。

攻撃性が強まり、生活がギリギリに

特性の中でもとくに困ったのは、攻撃性が強くなったことです。

パートナーや家族に対して、言葉が荒くなる。反応が過剰になる。数分後には後悔する。そんな日が増えていきました。

自分の意思でコントロールできていない感覚があり、「このままでは生活が持たない」と感じました。

不安と希死念慮が出やすくなる

疲労と睡眠不足が続くと、不安も一気に膨らみました。

どこにも出口のないような思考がぐるぐる回り、「全部終わらせたい」という危うい感覚が急に出る日もありました。

日常を維持するだけで精一杯。これが、私が薬の使用を検討したきっかけです。

精神安定薬を使い始めた理由

家族との生活を守るための選択

薬を飲むことに抵抗はありましたが、生活の限界が近いのは自分でも分かっていました。

特性は免罪符ではありません。攻撃的な反応が増える日は、家族に迷惑をかけるリスクが大きかった。

だからこそ薬は、「自分と家族を守るための安全装置」として使うべきだと判断しました。

薬だけではなく、睡眠と生活改善も並行

同時期に、睡眠リズムの立て直しも始めました。寝不足が最大の悪化要因だと分かっていたからです。

そのため、後に書くエビリファイやレキサルティの効果が「薬によるものか、睡眠改善によるものか」は正直はっきりしません。

薬はあくまで「全体の中のひとつの要素」でした。
睡眠が整うだけで特性が大きく安定した理由は、睡眠薬3種の比較記事に書いています。

精神状態がゆっくり整っていくイメージの抽象画

エビリファイの“効いてるか分からない”感じ

本人は分からないが、パートナーは改善を感じていた

最初に処方されたのはエビリファイでした。

私は飲んでみても、正直「効いている実感」が分かりませんでした。

しかしパートナーからは、

  • 攻撃的な反応が減った
  • ネガティブ思考が少なくなった

という指摘がありました。

ただし同時期に睡眠も整えにいっていたため、薬の効果と生活改善の効果は区別しにくい状態でした。

抗精神病薬は主観で判断しにくい

エビリファイやレキサルティのような薬は、「本人は効いている実感が薄いのに、周囲が変化を感じる」というタイプの薬です。

これは抗精神病薬ではよくあるパターンで、自己評価と第三者評価がずれます。

レキサルティへの切り替え

体感はエビリファイと同じ

途中でレキサルティへ切り替わりましたが、体感はエビリファイとほとんど同じでした。「何が変わったのか?」は私自身では分かりませんでした。

なぜ医師は変更したのか(推測できる理由)

医師の意図は推測になりますが、

  • 副作用の出方を最適化したい
  • 昼間のだるさを減らしたい
  • より少ない量で安定させたい

などの可能性があります。

デパケンは続かなかった

朝晩飲めない特性

デパケンは朝晩の定期服薬が必要でしたが、私はこれがどうしても続きませんでした。

「毎日・決まった時間に・2回」という形式は、ADHDの実行機能では難しい場面があります。

服薬可能性(飲めるかどうか)も薬選択の大事な要素

薬の効果がどれだけ良くても、飲めなければ意味がありません。

私の場合、「飲める形態であるか」が薬選択の大きな基準になりました。

リスペリドン・リボトリールの頓服

衝動性を抑えるが、苦味が心理的ハードルに

衝動性が強い日に処方されたのが、リスペリドンとリボトリールの頓服です。

飲むと確かに落ち着くのですが、苦味が強く、「飲むぞ」と気合が必要でした。

頓服が合う場面と合わない場面

頓服が有効なのは、

  • 衝動が上がりそうなタイミングが分かるとき
  • 不安が先に来ているとき

逆に、

  • 怒りが爆発した直後
  • すでに感情が振り切れているとき

は効きが弱く、使いどころが難しい薬でした。
不安が暴走した瞬間の“連鎖を切る方法”については、ロラゼパムの体験記で詳しく書いています。

改善は薬だけで起きたわけではない

睡眠と生活リズムの回復を表現した穏やかな抽象画

睡眠改善が最強の治療だった

産後の特性悪化に対して最も効果があったのは、正直薬ではなく睡眠でした。

入眠時間の安定、夜間対応の分担、昼寝、生活リズムの調整。これらを徹底したことで、不安も衝動性も大きく減りました。

生活リズムと家族サポートの影響

パートナーの理解と支援があったことも大きかったです。睡眠の確保は一人ではできません。

薬はその補助輪として機能し、生活を守るために必要な期間だけ使う形になりました。

まとめ:産後の特性悪化は“複合要因”

薬はあくまで支え

産後の特性悪化は「特性 × 睡眠不足 × 育児負荷」という複合要因でした。薬はその混乱を一時的に整えるための支えです。

睡眠と環境の安定が土台

根本的な改善は、睡眠と生活環境の安定から始まりました。

薬は飲み続けるものではなく、状況を見て調整する道具。そういう距離感が、今の私には最も合っています。

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